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2022年03月24日

[研究成果] 羽原廉氏(若林研M1)と若林教授が、非線形光学的ホール効果による 電子・スピン流生成機構の理論提案

「非線形光学的ホール効果による電子・スピン流生成機構の提案」

-エネルギーハーベスティング素子の設計応用に期待-

 

関西学院大学工学部の若林克法教授と羽原廉氏(理工学研究科先進エネルギーナノ工学専攻1年)は、二次元物質NbSe2における非線形光学的ホール効果を利用した電流およびスピン流を駆動する新しい機構を理論的に提案いたしました。これまでの理論提案では、二次元物質での非線形ホール効果によるスピン流生成には、外部からの一軸性歪みを与える必要がありました。本研究では、光照射による非線形光学的ホール効果を利用することで、一軸性歪みを与えなくても、二次元物質NbSe2に電流またはスピン流が生成できることを解明しました。その結果、可視光領域の光によって電流またはスピン流を駆動できるため、電流およびスピン流を生成するエネルギーハーベスティング素子への応用が期待されます。この研究成果は3月23日、米国物理学会の学術誌「Physical Review Research」に掲載されました。本研究は一部、文部科学省科学研究費補助金の援助を受けています。

<ポイント>

  • 一軸性歪みを与えなくても、少数層NbSe2における二次高調波発生過程を利用した電流およびスピン流の駆動機構を理論的に解明した。
  • 可視光領域の電磁波によって、スピン流・電流が駆動されることを明らかにした。
  • 光の偏向と層数による電荷およびスピン伝導度の選択則を明らかにした。
  • 可視光領域の光を利用することによって電流またはスピン流を駆動できるため、電流またはスピン流を生成するエネルギーハーベスティング素子への応用が期待される。

 

関西学院大学によるプレスリリース(2022年3月24日)

 

【論文タイトル】

原題: Nonlinear optical Hall effect of few-layered NbSe2

【タイトル和訳】

少数層NbSe2における非線形光学的ホール効果

【著者名】

Ren Habara, Katsunori Wakabayashi

【DOI】

10.1103/PhysRevResearch.4.013219

 

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