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2018年02月16日

2月22日(木)、理工学部講演会「量子ビームを利用した水素先進材料の創製研究-燃料電池部材を中心にして-」

理工学部講演会を下記の要領で開催いたします。是非ご参加ください。

日時:20182月22日(木)13:30〜15:00

場所

神戸三田キャンパス VII号館 1F 111号教室

講演者

八巻 徹也 氏(量子科学技術研究開発機構 グループリーダー.)

講演題目

量子ビームを利用した水素先進材料の創製研究-燃料電池部材を中心にして-

講演概要

γ線、電子線、イオンビーム、中性子ビーム、放射光X線などの「量子ビーム」が有している、モノを「作る」、「見る」働きを利用した水素先進材料の創製研究について、我々の成果を紹介する。具体的には、燃料電池の主要部材として、高分子電解質膜と電極触媒の開発を取り上げる。

γ 線・電子線の二段階照射プロセスによる架橋フッ素系電解質膜,イオンビームによるナノ構造制御型電解質膜の開発,さらには中性子ビームによる構造解析などの課題に取り組んできた。平成26年度より、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「エネルギーキャリア」プロジェクトの一員として、電解質膜(=カチオン交換膜)からなる電気化学セルの構築と熱化学水素製造プロセスへの応用研究にも携わっている(平成29年3月プレスリリース)。

燃料電池電極触媒の高性能化という社会的要請から、平成27年度に新しい研究グループを立ち上げ、高崎量子応用研究所のイオンビーム、電子線照射施設において金属ナノ微粒子、ナノ細線の研究に着手した。最近では、イオンビームで炭素担体に導入した照射欠陥がPt ナノ微粒子における酸素還元反応の活性向上に寄与することを初めて見出した。高活性化の機構解明を目指して、試料における担体-触媒界面の電子状態をX線吸収微細構造(XAFS)測定と密度汎関数理論(DFT)に基づく第一原理計算で解析している。

本研究で新規に開発された材料の多くは、構造的、機能的に特異であり、量子ビームによる手法で初めて得ることができたものである。この点で、通常の放射線架橋・グラフト重合、放射線還元、イオン注入などの技術とは対照的であることを強調したい。

担当

先進エネルギーナノ工学科・専任講師・尾崎 壽紀

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